富山 坪野鉱泉失踪事件

つぼの

1996年、富山県魚津市で19歳の女性二人が行方不明になった。
二人は「坪野鉱泉」を訪れた可能性が高いとされている。
坪野鉱泉とは1982年に倒産した温泉旅館で、地元では有名な心霊スポットでもある。
現在もなお、坪野鉱泉は荒れ果てた廃墟のまま山の中にそびえ建ち、県道を見下ろしている。

肝試しに出かけた二人

高校時代の同級生だった二人は「肝試しに行く」と家を出た。
その日の夜、二人から「魚津市にいる」と共通の友人にメッセージが届き、そのメッセージ以降、ぷっつりと二人の消息は途絶えた。
「肝試し」と「魚津市」。
このふたつを結ぶ目的地、それは週刊誌にもとりあげられる心霊スポットの坪野鉱泉だ。
二人は坪野鉱泉に行った可能性が高かった。

幽霊が出る廃墟

1996年の時点で坪野鉱泉はすでに廃墟となって13年。立地は山間部、県道沿い。
おまけに「幽霊が出る」と話題であるし、うるさい大人はいない。
失礼だが、娯楽の少ない地方の若者にとって、こんなに安価でワクワクするスポットはなかったのであろう。
次第に近県からも暴走族が集まり始め、たまり場となっていた。
ガラスは割られ、壁一面に暴走族の名前がスプレーで描かれる無法地帯。
警察は女性二人はなんらかの事件にまきこまれた線や事故など、多方面から捜査にあたった。
山道、崖、谷底などに転落した可能性もあるとして、山間部をくまなく調べたが二人の痕跡はなかった。
言わずもがな、富山県は日本海に面している。
海に落ちたのかもしれない、船に「乗せられた」のかもしれない。
当時、地元ではそんな声が多かったという。

いわくつきの廃墟から帰還するには?

坪野鉱泉が営業をしていたころ、併設するプールで小学生が死亡する事故が起きてしまったため、供養のために神社が建立された。
その神社はほどなくして火事で全焼。
そして依然、解決していない女性二人の謎の失踪。
心霊スポットとして注目を浴びた坪野鉱泉には、
「坪野鉱泉から帰還する条件」として、地元では決まりごとができている。
・自分の車で行かない
・白い車で言ってはいけない
・一人になってはいけない
・帰ったらお祓いをする
おそらくもっと別バージョンのローカルルールが存在するに違いない。
実際、女性二人の乗っていた車は黒であったし、噂が噂を呼んで変化していくのはこの手の話のお約束だ。
有名になりすぎた心霊スポットを今日もまた誰かが訪れているだろう。
ちゃんと帰ることができますように・・・。

ReXg

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