共食い、アリ食うアリの不思議

30万匹の大群で放浪生活をし、出会った他種のアリを根こそぎ餌食にするアリが、熱帯雨林にいるようです。

その名はヒメサスライアリ。細身で1ミリにも満たない小さいアリです。
餌になるのは自分たちより大きいアリ(20ミリを超える)、トゲを持ったものや鎌のような大きな顎を持ったアリなど。幼虫や蛹は勿論、成虫まで、アリであれば食べてしまうのです。
無論襲われた方も、一方的に殺られるわけではありません。両者は噛み付き合い、引きずり倒し、切り刻む壮絶な戦いを繰り広げます。入り口で食い止めようと 攻防している間に、後方部隊が巣の内部へと押し入り(スレンダーなので入り込める)、流れるように幼虫やバラバラになった餌を効率良く運び出していくので す。これではヒメサスライアリの圧勝です。
本来アリのコロニーは数十匹〜数千匹です。1万匹を超えることは滅多にありません。それに対しヒメサスライアリは5万〜30万匹の大群。かなうはずありません。

訓練されることなく、なぜ彼女らは統制がとれた軍隊編成を保てるのか。
それはヒメサスライアリが目を無くしてしまったことに関係するようです。何も見えないので、いつも仲間と体をくっつけておかないとはぐれてしまうため、自然と隊列が組み上がるというわけなのです。それがアメーバのように滑らかに途切れることなく襲撃してくるのです!
大群は仲間同志で橋を作り(グンタイアリなども橋を作る)、森の木々の一番上の層(地上から70メートルになる事も)にいるアリまで襲います。

彼女たちの生態は大変興味深いものですが、こんな勢いで根こそぎ襲われたら生態系が狂うのでは?
いえ、ご安心を。どうやらこの、根こそぎ食べる現象はアリの多様性保持に関わっているということです。餌食になっている種は生息地域で幅を利かせている種ばかり。
優先的にコロニーを形成しているものばかり(そういう種が繁殖する、繁殖すると食われるという循環)なので、彼女らを間引くと競争力の乏しいアリが繁殖でき、絶滅を免れているのです。
時に自然は無情なシステムを生み出すものです。

人類は平和に文明社会を送っていきたいものです。

ReXg

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