出産より痛いと言われる頭痛が存在します。
群発頭痛という頭痛なのですが、この頭痛は、頭部を中心に決まった場所が痛み上あごのあたりにまで症状がでて、目の奥(内頚動脈)で炎症が起こると眼球がえぐられるような耐え難い痛みが襲ってきます。
俳優のダニエル・ラドクリフさんが自身はこの病気だと告白しましたが、歴史上もっと多くの名の通った人たちも罹っていた可能性も考えられます。作家のカフカが罹っていたは群発頭痛だと推測されます。
この病気は、決まった期間に1日に何度か症状がでる(症例として明け方が一番多い)ので「群発」と付いています。薬やお酒も痛みの引き金となるようですが 詳しい発症のメカニズムは未だ解明されていません。百人に2、3人の割合で発症、20〜40歳代の男性に多いといいます。
冒頭で出産より痛い、と記しましたが比べられるものなのでしょうか。
実は、出産の時はホルモンが分泌され、母体の痛み・母性(これにより母乳が出る)・胎児の母体内での記憶の消去などに働きかけるので、「痛かった」という 記憶は残っても身体は忘れるようになっています。身体が覚えていたら2人目以降産まないどころか、性交渉もしなくなってしまうかも…。
つまり、「出産するだろう」という体は、大きな痛みに備えて「痛みを忘れる」機能と「多少痛みを我慢できる身体」に作られているのです。乱暴に言ってしまうなら男性の多くは、女性より痛みに弱いということになります。勿論、性別に関係せず痛みに個人差はあります。
そして、病気の痛み(肉体的にも精神的にも)はなかなか薄れず、その不安から神経を病むことも珍しくありません。
痛みの差には関係ありませんが、男女差で決定的なのは遺伝子。女性はXX、男性はXY染色体ですね。この差で罹る病気、出る症状に違いが出ます。筋ジストロフィーもその一つです。
群発頭痛の罹り易さに遺伝子は関係しているのでしょうか。そして、この病の痛みは尋常ではなく楽になるなら死を選びたい、という意見も…。
ここに、さらなる医学の発展を願わずにはいられません。