家の中に浮かび上がってくる謎の顔。

木目や岩の配置が人の顔に見えることはよくあります。これはパレイドリア効果という錯覚によるものです。しかし眉毛や白眼まで描かれていれば、確実に人の顔ではないでしょうか。

スペイン南部アンダルシア地方ハエン県にあるシエラマヒナの山間、ベルメス・デ・ラ・モラレダという小さな村に住むフワン・ペレイラ一家宅に奇怪な現象が 現れました。この地方では大麦やオリーブを栽培、山羊を飼って生活をしており、一家は妻、子供が2人の4人暮らしでした。
1971年8月。食事の支度のために暖炉の灰を掻き分けたところ、火床の石の上に絵のようなものが見えたので、灰を払い確認すると、人の顔がはっきり現れていたというのです。
雑巾でこすってみたり神に祈ってみたものの、消える気配は全くなく、セメントで上塗りをしてみるも再び浮かび上がってきたのです。
暖炉の石の下を掘ったところ、2m50cmを越えた辺りで人骨を発見。古い資料によるとこの家は、17世紀フェリペ4世の時代に墓地として使用されていた土地に建っていることが判りました。

手厚く供養した筈でしたが、この後、暖炉だけではなく、壁などにも違った絵柄の人影が浮かんできたのです。そして早々と、1972年2月の時点で地元新聞イデアル紙が「塩化銀と硝酸塩を利用した悪戯」という分析結果と見解を発表しています。
顔は1974年頃から現れなくなりますが、1982年からまた現れ始め、以降この家は「ラ・カサ・デ・ラス・カラス(顔の家)」と呼ばれるようになります。
一旦、世間の関心は薄れたのですが、その後雑誌に取り上げられ再び注目を浴び、水掛論が始まります。そして2004年2月3日に発見者である妻が他界したのちも、論争は沈静化する様相を見せてはいません。

この家の顔以外でも、聖骸布などの意味のある形に見える例は多々あります。しかし上記の事件が悪戯でもそうでなくても、多くの人が浮かび上がった顔に恐怖心を抱くのではないでしょうか。
それは絵が上手すぎず、下手すぎないからです。頭では違うと理解しているのですが、共感性が高い人程、顔や人体に見えそうなものを、人を表したものだと解釈してしまうのです。
しかし、人間の平均的な形をちょっと崩したものは人間を表したものと認識されず、それでも人間だと思いたい脳の葛藤…。映画やゲームのクリーチャーの造形などが気持ち悪いのはそのためです。

ReXg

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