霊魂の重さは21グラムなのか?

ごくたまに、人の命は星の重さに等しいと言われます。
これは命の尊厳を表した言葉ですが、実際に計測した例が1907年に報告されています。
アメリカ合衆国の医師、ダンカン・マクドゥーガル(1866-1920)は患者を被験者とし、生前と死後の体重の変化を調べました。
そして、呼吸時に含まれる水分や汗の蒸発とは異なる、質量約21グラム(4分の3オンス。およそ21.262グラム)が失われたという結果を出しました。
更に彼は15匹の犬を調べ、重量の変化は起きなかったと『ニューヨーク・タイムズ』などに発表しました。
結果的に人間の魂は21グラムだ、という話になったのですが、彼は被験者たちの平均値を求めた訳ではなく、一人目の患者の結果から21グラムと報告したにすぎません。
彼の論文の内容では、人間の魂には重さがあり犬にはない、ということになります。
今から100年以上も前の(かなりあやふやと思われる)実験結果は、怪しい以外のなにものでもありません。
このあと魂の重さを量ったという報告を耳にしません。被験者が見つからないのか、心霊科学的なこの題材を研究する学者がいないのか。
好奇心をそそられる題材ですが、実験自体の意義を考えてしまいます。

しかし、人は亡くなると重くなる、という話はよく聞きます。
おんぶや抱っこしている子供が眠ると重くなるような感じでしょうか。

命の尊さは可視化できるものではありません。

ReXg

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